大切な仕事の担い手が足りていない
医療や介護だけでなく、運送や小売りなど、私たちの生活に密接に関わる「なくてはならない仕事」は数えられないほど存在します。普段は気に留めていなくても、実際になくなってしまうと困ってしまうものがたくさんあるのです。しかし現在、そういった仕事の担い手が足りていない、いわゆる「人材不足」の状態に悩まされている業界が少なくないようです。数だけを見てみると、求職者と求人のバランスはおよそ取れているはずなのですが、なぜこのようなことが起きているのでしょうか。また、この状況はいつまで続くのでしょうか。
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少子高齢化による問題
需要が高まっている業界とそうでない業界があるので、人材不足の深刻さには違いがあります。人材不足は景気によっても状況が左右されますが、不景気によって雇用が減ることが人材不足という問題の解決にはならないはずです。また、日本全体として労働人口が減少しているのは事実です。働き手が減っていくのに反比例して、高齢者の割合は増加し社会保障費が増大していくので、今後の日本では医療や介護の担い手が不足するだけでなくさまざまな問題が生じると予想されています。
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特に困っている業界は
私たちは安心・快適に生活するために、さまざまな人の力を借りています。病気になった時に安心して治療が受けられるのは医療従事者がいてくれるからであり、スマートフォンなどから気軽に買い物ができるのはそれを届けてくれるドライバーがいるからです。しかし、そういったなくてはならない仕事の担い手が不足しているのです。人材不足の問題は特定の業界だけに限ったことではありませんが、その中でも特に困っている業界について紹介します。
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離職理由に注目してみる
人材不足の原因について探っていきましょう。日本全体としての有効求人倍率、つまり「1人の求職者に対してどのくらいの求人があるか」については2019年3月時点の発表では1.13倍となっており、需要と供給のバランスがおよそ取れているように見えます。しかしそれでも人材不足に悩んでいる業界もあるというのは、いったいどこに原因があるのでしょうか。転職も珍しいことではなくなった現在、どんな理由で前職を辞めたのかに注目して考えてみましょう。