少子高齢化による問題

既に対策を打っている業界、これからどうしようかと策を練っている業界、人材不足に対する対応は現在のところ状況に違いがあります。しかし、この人材不足が今後ずっと進んでいくのであれば、のんびりと構えていることもできません。日本の未来像について考えてみましょう。

少子高齢化による問題

人材不足は加速し続けるのか

現在の人材不足の状況を業界別に見てみると、最も深刻なのは情報通信・サービス業界です。次に卸売・小売業となっています。医療業界、介護業界はもちろんのこと、他の業界でも少子高齢化に伴う人材不足は深刻化しており、あるシンクタンクの予想では2025年には583万人もの労働力が不足すると提示されています。
しかし、この状況が変わる可能性もあります。その理由となるのは、景気後退です。当たり前のことですが、景気が悪くなれば求人も減り、働き口がなくなってしまいます。持続的に人口が減少しているので、2000年代初めのいわゆる就職氷河期のような状態にはならないはずですが、不況が続けばリストラや就職難が訪れる可能性もあるのです。

需要の変化にも注目

2019年の正社員の有効求人倍率は1.13倍であり、日本全体として見ると労働人口1人あたりの求人は1.13件あることになるので、雇用側と働き手のバランスはおよそ取れているように見えます。しかし、さまざまな技術の発展や世界情勢の変化などの要因から、「必要とされる仕事」と「必要でなくなる仕事」のばらつきが生じている今、業界によって人材不足の深刻さにも違いが出てきています。

2025年問題とは

1947~1949年の第一次ベビーブームの時代に生まれた世代を「団塊世代」と言いますが、現在の日本で特に人口が多いとされているのがこの世代です。2025年頃にはこの団塊世代が75歳となり、それに伴って国内の医療や介護の需要が一気に拡大します。しかし社会経済を支えている現役世代は少子化の影響で減少するので、社会保障費が莫大となる中でさまざまな問題が生じると予想されており、それらをまとめて「2025年問題」と呼びます。
2025年問題について議論され始めたのは最近のことではありませんが、打開策が決定づけられないまま2025年はもう間近に迫ってきています。もはや一刻の猶予もない状況と言って良いでしょう。また、2025年問題をクリアしたとしても、今度は団塊世代の子どもたち、いわゆる「団塊ジュニア」世代が75歳を迎える「2050年問題」がやってきます。この世代はバブル崩壊後の不景気の真っただ中で社会人となったので十分な貯蓄がないことも多く、それを支える現役世代も2025年よりさらに減少している見込みなので、非常に深刻な事態になると予想されます。医療や介護の人材不足は加速し、他産業でも予断を許さない状況になることでしょう。
私たちのこれからの生活に少なからず影響を及ぼす2025年問題について、グラフと図でわかりやすく紹介している資料がありますので、参考にしてみてください。

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    各業界での人材不足の原因の1つは、少子高齢化です。医療や福祉・介護業界だけでなく、労働人口の減少はさまざまな業界での課題となっています。団塊世代が75歳となる2025年には多くの問題が露出してくると予想されています。

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